私はいつも新人さんの同行に付いた時、その人の経験年数を聞く。
介護福祉士なら、最低でも3年の経験があるけれど
ヘルパー2級(今は介護職員初任者研修)資格だと、
本当の初心者さんや1年未満の経験の方もいるからだ。
初心者の方には、一から十まで細かいところも教えるようにしている。
かつて私が初心者の時、姉御さんにして貰ったように。
その日同行した人は、3年程の経験があると言っていた。
身体介助は自信が無いとの事。
仮にこの方、Aさんといたしましょう。
それなら…と、初めはやり方を見てもらう。
入居者さんに、教えながらでの介助になる事を了承してもらって行った。
寝たきりの方のトランス時
いや…そこに立たないで…邪魔になるから(汗
この方の車椅子は、ちょっと変わったタイプなので…と説明をする。
アームレストは跳ね上げである事。
フットレストは、外したりオープンにしてたりする事。
ティルト型なので、移動時は座位保持出来る角度まで下げる事、等々
車椅子にて移動時、
いや…車椅子の前に立たないで…移動出来ないから(汗
私:この車椅子を押して、フロアまで行って下さい。
横に付いていますから。
A : え? 私が押すんですか?
私:はい。お願いします。
口腔ケア時、この方の場合
自分では歯磨き・うがいが出来ないので、コレとコレを使ってこうやって…と説明するも
いや…真後ろに立ってたら、どういう風にしてるのか見えないでしょ?(汗
何と言うか…この人、ホントに経験者?
これだったら経験無しの人の方が、やる気があるやん…と思ってしまった。
何やかんや言って、身体介助を避ける傾向がある人だった。
何度も見て貰ったので、Aさんにやって貰う事にした。
私:今日は、側に付いていますので全部やってもらいますね。
解らない事があれば、言って下さい。
A : え? 私がやるんですか?
私:もう一週間も経つんですから、そろそろ自分でもやって貰わないと。
まずはトランスから。
A :1人じゃ出来ません。(と、後ろへ下がる)
私:(「出来ない。」と言い切るかぁー(怒)と思いつつ)
では、補助しますので前に来て下さい。
私はあくまでも補助です。Aさんが中心になってやって下さいね。
A : えーー。
私:(「えー」じゃねぇ!「えー」じゃ!(怒))← 心の声
ベッドから車椅子へのトランスは、ちゃんと出来ていた。…が!
A ;えーと、あれ? え? あれ? 何で?
車椅子の説明、何度もしたのに… _| ̄|○|||
此処は、サ高住(さこうじゅ:サービス付き高齢者住宅)型の有料老人ホームなので
施設の動きでは無く、訪問形式をとっている。
だから、個々の対応時間に制限があり、その制限時間内に伝票を書いて
入居者さんに印を貰わないといけない。
とある入居者さんのケアは、30分以内に終わらないといけない。
Aさんには、3回目のケアプラン時にやってもらった。
途中途中、マゴマゴしてたら次に何をやるか指示をして
もう少し急ぎましょう と声を掛けたが30分以内に終れず
教えた事殆ど出来ていなかった為、半分以上手伝った。
ま…3回目とは言え、初めて自分が中心なってやったのだから
緊張して、テンパッてしまったのかもしれない。
翌日、大体何分頃までにここまで出来ていないと、後がきつくなる事を
またまた説明しておいて、昨日と同じ入居者さんのケアプランに入ってもらった。
私:いやいやいや…そう違いますやん。
…と、手伝いに行ったら、別の部屋へ行って別の事をしだした。
私:次からはあなた一人でするんですよ? これも自分でしないと。
A:えー!
私:それと、ここにも時計があるので時間を見ながら動かないと
30分で終われませんよ?
A :私、時計見ながらなんか出来ません!
私:いや、出来ないじゃなくて、しないといけないんですって。
次のプランが入っていたら、次の入居者さんの所へは遅刻になるんですよ?
A : 私には出来ません!イソラさんは介福(介護福祉士)やから出来るんであって
私には無理です!
私:介福もクソも関係ありません。現に初心者の人も出来てるんですから。
A : だいたい私、身体が苦手なんです!
私:解りました。こっちは私がしますので、あれとあれはしておいて下さい。
その後も、これは出来ない。あれは出来ない。
私は介福と違うから出来ない。
…と、出来ないオンパレード。
何しに此処に来たんだ?
それなら生活介助オンリーの、登録ヘルパーで入って来たらいいのに。
誰が教えても、皆に「出来ません」を言うもんだから
試用期間が終わらないうちに、辞めていった。
やる気の無い人は、雇わないで…。