誰かいる?

 

とある施設での出来事。

 

オープニングスタッフで勤務時の、まだ入居者さんが入っていない時に

ごく一部のスタッフが

『8階が何だか気味悪い』

『誰もいないハズなのに、8階へ行くと人の気配がする時がある』

と、言っていた事があった。

 

私自身も、気味が悪いとまでは思わないけど

8階へ行った時に、居室の扉がスッと閉まる瞬間が見え

あれ? 誰か部屋に入って行ったのかな?

と思い、居室内を見に行っても誰もいない。

…てな事があったり。

 

エレベーターが8階に着いて、扉が開いた瞬間

パタパタパタ…と、誰かが廊下を走り去るような音が聞こえたので

その音が追って見に行っても誰もいない。

…てな事が、たまにあった。

 

 

 

入居が始まり

まだ6~9階部分には、誰も入居者さんが入っていない時の事。

 

 

夜勤時、エレベーターが勝手に動いて8階に止まる事が時々あった。

エレベーターで、誰か徘徊でもしてるか!? と思い

その都度見に行くが、誰もいない。

 

他にも、誰もいない部屋のナースコールが鳴ったり

深夜、非常階段を駆け上がったり駆け降りたりするような音がしたり等

この建物の館内自体、何だかなぁ…てな感じ。

(あくまでも、個人的に思っていた事だが。)

 

生きてる人に異常がなければ 、ま・いっか~♪

と、いつもの如く軽い気持ちでいた。

 

 

ある日の夜勤時。

夜勤の相方が仮眠をとってて、私一人が活動していた時だった。

 

時間は夜の1時過ぎ。

 

その時、私は11階で排泄介助に回っていた。

次の人の居室へ行こうとエレベーター前を通っていたら

1階に止まっていた、エレベーターの一基が動いていた。

 

動きに気付いたのは、丁度3階から4階へ上がっている時だった。

もしかしたら徘徊者がいるのかもしれないと思い、

どの階に止まるのかジッと見ていた。

 

4階…   5階…   6階…   7階…   8階

止まった。

 

あぁ~ またかよ… と思っていると

8階に止まっていたエレベーターが、再び動き出した。

 

あれ? 上層階で誰かがボタンを押して呼んでいるのかな?

 

8階から9階へ上がって来た表示ランプを見て

何故か ゾッ! とした。

この感覚、何年ぶりだろうか?

 

9階…   10階…   背中の産毛がゾワゾワと逆立ち始めた。

そして私がいる 11階            止まった。

 

本当なら、チーン!という音が鳴って扉が開くのだが

何の音も鳴らず、何故かゆっくり滑るようにして ススー…と扉が開いた。

 

勿論、私はエレベーターを呼ぶボタンを押してなどいない。

…て事は、誰か中にいるのか?

何だか嫌な感じがして、心臓がバクバクした。

 

中を覗く。

 

誰もいない。

 

何だか、空気が重い。

 

 

何故か暫く、怖くて震えが止まらなかった。

 

 

 

こういった事で怖いと思ったのは、ほんっとーに久しぶりの事だった。

 

何かの誤作動 誤作動。   と 無理に思うようにした。

 

 

 

その日の夜勤は、ナースコールも少なく

静かな静かな夜勤だった。

 

相方とは、

「“あっちの人” が活発(?)な動きの時って、生きてる人は静かになるよな~」

「うんうん。 それって何でやろうなぁ。」

てな話しをしていた。

 

 

帰宅後、お風呂上がりに何気に鏡に目をやると

右の首の付け根辺りに、後ろから掴まれた指のような痕が付いていた。

全く気付かなかったよ…(汗

 

 

 

もしかしたら、テイクアウトしちゃってる? … orz

 

 

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イソラ
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