仕事が出来る人

 

本当の意味で仕事が出来る人って、いったいどういった人なのだろうか?

…と、よく考えてしまう。

 

介護職の場合

介護職とひとことで言っても、訪問と施設とでは仕事内容が全く違う。

施設であっても、

老人保健センター・デイサービス・特養(特別養護老人ホーム)・グループホーム等

それぞれが全く違う仕事内容だ。

訪問サービスであってもケア付きマンション等、訪問と施設の混合型のような所もある。

 

私がよく考え込んでしまうのは、一軒一軒回る完全な訪問サービス以外での所だ。

 

私自身は、初めてこの職に就いた場所での主任から言われた

『結果を出すのは上(経営者)では無く、利用者(入居者)さんや。』

と言う言葉を胸に、その通りだと思っている。

だって相手は物ではなく、人間だから。

 

実際の現場では、キツイ言葉を浴びせたり

相手に対しそれはどうよ?といった態度をとるヘルパーが多くいる。

そしてそういったヘルパーには、利用者さんは頼み事や心配事を言ってくる事は滅多とない。

 

例えば医療機関から処方されている、痛み止めの塗り薬や湿布等

身体が不自由で、自分では塗ったり貼ったり出来ない人が

本当はしてもらいたいのに、キツイ言葉を浴びせるヘルパーには

言いにくい、もしくは言うと嫌な言葉や態度をとられるので言わずに我慢する。

…といった事が多々ある。

他にも、悩み事や心配事を本当は聞いて欲しいのに言えない場合。

 

私は、そういったキツイ言葉や態度をとるヘルパーは

あまり好きにはなれない。

類は友を呼ぶ方式(?)かもしれないけれど

私が仲良くなるヘルパーは、相手に対しきつくない人ばかりだ。

そして “上” からは私を含め、『あまり仕事が出来ない人』…とされている。

 

それは何故か?

理由は、『仕事が遅い』からだ。

 

何故遅くなるのかは、例えばオムツ交換時

「背中が痛いから湿布を貼って欲しい。」

「腰が痛むので、痛み止めの薬を塗って欲しい。」等

色々言ってくるからだ。

そして、塗ったり貼ったりする。

 

勿論、過剰なサービスはしないが

そういった訴えを聞くのも、私たちの本来の仕事だ。

 

他にも、

「あなたが来るのを待ってたのよ。ちょっと聞いて欲しい事があるのよ。」

と、身体に関する心配事等を話してこられる。

 

一つ一つは些細な事でも、それが3人4人と重なってくると

やはり時間をくってしまう。

ましてや、心配事を話してこられると10分近く掛かる事もある。

 

そういった頼み事を一切言われないヘルパーは

一つ一つの仕事が早く終わる。

 

同じ仕事をしているのに、あの人は早いのに

この人は何で仕事が遅いんだ?

…て事で、“上” からの評価が

仕事が遅い → 手が遅い → 仕事が出来ない

…と、なる訳でして。

 

どちらも仕事内容的には同じ事をしている。

“上” から『仕事が出来ない人』と言われるヘルパーは

ただそこに、指示軟塗布や傾聴が加わるから遅くなってしまう。

 

勿論、本当に仕事が出来ない『とんでもヘルパー』もいるけどね(笑

 

つっけんどんな態度をとっていれば、利用者さんも話し掛けにくくなって

日々こなさなければならない『仕事』は、早くなると思う。

 

それは解っているけど、やはり相手は人間なんだもん。

私には、それが出来ない。

いくら “上” からの評価が低くなろうとも。

 

 

 

仕事が出来る人     て、なんだろう?

 

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イソラ
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