母方の家系は“視える”者がいたせいか、幽霊は身近な存在だった。
小さな頃から墓場のばば様(母方の祖母)からは、
日常会話で幽霊の事を“仏さん”と云う言い方をされていたせいか
「幽霊」と云う言い方には、かなりの違和感。
何か違うんだよなぁ…。
そんなだから、嫁姑(小姑)問題にも仏さん話が加わって来る。
その中で、母から聞いた祖母の話で結構笑ってしまったものがある。
祖父は、私の母がまだ若い頃に亡くなったそうだ。
その祖父の姉と祖母は、仲があまりよくなかったらしい。
その姉と言うのが、弟である祖父を小さな頃から物凄く可愛がっていて
何かにつけて、弟ちゃん弟ちゃん…てな感じで、
弟である祖父も姉ちゃん姉ちゃんと慕い、
まるで、子離れ出来ていない親=姉。 親離れ出来ていない子供=弟の祖父。
…てな関係だったらしい。
「私の可愛い弟を取った嫁」てな感じで、嫁である祖母によく嫌味を言ってきたりしていたそうだ。
祖父が亡くなりだいぶ経った頃、いきなりその姉から祖母に
「ちょっと!おっぱん(お供えのご飯)ちゃんと弟にあげてないでしょ!
ちゃんと食べさせてあげてよ!・・・ったく。」 …てな、お怒りの電話が掛かってきたらしい。
事実その時祖母は、何やかやで忙しくご飯を炊いていなかったので
2~3日おっぱんをあげてなかったらしい。(おっぱんは、炊きたての物を供える事になっていたので)
その姉が言うには、弟がお腹をかかえて夜な夜な
「姉ちゃん、お腹がすいたから何か食べさせてくれ~。」 と出てくる事にピン!ときて、
祖母にお怒りの電話…てな流れだったそうだ。
それで祖母は、慌ててご飯を炊いて仏前に供えると
何か弟から姉へ連絡(?)がいったのかして、
「今後はさぼらず、ちゃんと弟に食べさせてやってね。」との電話あり。
その後それに味をしめたのか、祖母が1日でもおっぱんを切らすと祖父は姉のところへ
「何か食べさせてくれ~」と出て その度に祖母の所へは義姉からのお怒りの電話が…
てな事があったらしい。
祖母にしても、子供たちが皆結婚にて家を出て 自分独りだと、
毎日ご飯を炊くのも不経済だしめんどくさい。 一日おきぐらいでいいか~ てな事をすると、
またしても亡くなった祖父は姉の所へ「お腹がすいた~。」 → お怒り電話。
その事に 「 ほんま腹たつぇ。うちに直接言うてこんと、直ぐ義姉さんに言いつけに行くんやし。
ほんま死んでまでも気ぃ悪いお人や。もうえぇ加減にしおし!」 …と、
よく仏壇に怒っていたそうだ。
その話を聞き、そら~相手は死んでんやからキリないわな。どーしようもないやん。
てか、死んでからも姉ちゃんに言いつけるってw と笑ってしまった。
そういった事も、日常の笑える一部なんだけど
仏さんが身近に思ってない人からすれば、「それって変やろ!」となるらしい…(汗