小児病棟

 
 
とある方のブログを読んでて、ふと思い出した昔の事。
 
長期入院の付き添いにて、病院に寝泊まりしていた事が何度かあったのですが
 
小児病棟での色んな出来事。
 
 
 
そこでは、一つの〝社会〟が出来あがっていた。
 
新しく入った子は、もれなく親御さんが帰ると泣いたり後追いしたり。
 
時にはベッド柵を乗り越えて、「お母さん!お母さーん!」 と泣きながら脱走する子がいたりした。
 
 
 
そんな時、誰が指示した訳でもないのに
 
急いで詰所に脱走を知らせる子。
 
脱走した子を追いかけて止める子。
 
ベッドから降りる事が出来ない子は、柵をガチャガチャ鳴らしながら大声で看護師さんを呼んでいた。
 
それらの役割分担をものの見事に行っていた。
 
その、咄嗟の連携プレーに驚いた。
 
 
 
その子達皆が皆、友達同士になっている訳ではない。
 
お互い、話しすらしない関係であっても脱走者があった時には何故かひとつなっていた。
 
そういった事が色々あった。
 
ただそれは、〝長期組〟に限っての事だったが…。
 
 
 
他にもよく見かけたのが、食べ物に対する怒り。
 
4~5歳の小さな子であっても
 
「○○ちゃんは私と一緒の病気やのに、何で○○ちゃんにはコレがついてるんや!」
 
…と、品目の違いを看護師さんに食って掛かる子がいたりした。
 
 
 
でも、その相手の子に対して 「○○ちゃんは、いいな~。」 等と羨む言葉は発しない。
 
常に攻撃の的にされるのは看護師さん。
 
小さいながらも、相手の子に言っても仕方がない事だと解かっているのだろう。
 
 
 
 
 
〝長期組〟と〝短期組〟との違いがくっきりと出る出来事には、見ていて哀しいものを感じた。
 
逝く子がいた時は、看護師さんが慌ただしくしている。
 
やがて聞こえる親御さんであろう号泣。
 
 
 
短期組の子達は、周りをキョロキョロ見回したり 「何かあったん?」 と不思議そうな顔をしている。
 
長期組の子達は、「何かあったん?」 等とは絶対に口にしない。
 
それどころか、普段と変わらぬ様子や急に遊び出したりしていた。
 
ただ…その時の表情は、いつもと違って皆硬かった。
 
年齢に関係なく〝逝った事〟を理解しているのだろう。
 
 
 
そして、長期組の小さい子程 短期組の子とはあまり親しくしない様にしているのが伺えた。
 
たぶん、親しくなっても常に(退院にて)見送る側にいるのが辛いからだろう。
 
 
 
毎回、長期入院での付き添いをする度
 
入院しているメンバーが違っていても、これらの事は同じだった。
 
他の病院の小児病棟は、私は知らない。
 
この病院での出来事だっただけなのかもしれない。
 
 

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