食欲

 
 
 
〝食〟に対する、強い思いを持ってらっしゃる認知症の方。
 
とある病気で、片方の肺が機能していません。
 
残ったもう片方の肺も、病に侵され弱っています。
 
そして肺炎。 嚥下力の低下。 喘鳴有り。
 
 
 
食事中、口腔内の物が飲み込めなくなっていたので
 
一旦吐き出す事を促すが、「飲み込める」  と言って歯を食いしばり頑なに拒否。
 
その矢先の嘔吐。 
 
歯を食いしばっているものだから、鼻からも多量の嘔吐物。
 
 
 
目を剥き、みるみる内に顔面青紫一色に…。
 
チアノーゼ! 嘔吐物が詰まった!
 
それでもまだ、歯を食いしばっている。  あのなぁ…(--;
 
 
 
まずは無理矢理口をこじ開け、口腔内の物をかき出す。
 
対処後、顔色も元に戻った時点でバイタルチェック。
 
SPO2も、70台まで下がっていたものの その後回復。
 
でも、喘鳴があるので息も絶え絶え…という感じ。
 
 
 
○○さん。 苦しかったでしょう? 
 
は…ぃ…。
 
食べるとまた吐いちゃうので、今日の夕食はこれで止めておきましょうね?
 
……。
 
今、ちゃんと休んでおいたら また食べられる様になりますから
 
今は我慢しておきましょうよ。 さっきみたいな苦しいのは嫌でしょ?
 
ん…。
 
ほら、今も肩で息をして ちょっとしんどいでしょ? だから…ね?
 
ん…そぅ…し…とくわ。
 
ギャッヂUPしたベッドに横たわりながら、にっこり笑ってそう答えた。
 
 
 
 
この方の場合、普段は一食分の量を食べられても
 
その日、その時の状態で 一食分を食べてしまうと
 
横隔膜の圧迫によって、呼吸困難に陥ってしまう。
 
 
 
一口一口様子を見て、呼吸が変わったり唇にチアノーゼが見られたら
 
一旦休憩を入れてから中止にするか、続行するかはその時の様子次第。
 
本人さんの要求に応じて、食べさせてしまうと死んでしまう。
 
 
 
 
 
 
 
 
2~3分も経たないうちに
 
何か…食べたぃ…んやけど…何か…ない?
 
 
 
 
 
さっき言ったところやろうが…_| ̄|○
 

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