悪さはするな

 

深夜、廊下を誰かが歩くと 足跡マークが点滅する。

 

点滅してても モニターには誰も映らない。

 

そんな夜は、不思議と生きてる者の不穏者無し。

 

静かな静かな夜勤だった。

 

 

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私がこの職場に初めて来た日、ある一室に何かを感じた。

 

感じた場所に目をやると、ハッキリは視えぬが

 

ぼや～っとした何かが、ずっと宙にとどまっている。

 

 

 

ただ何となく、この部屋で何か良くない事があったのだろうと思った。

 

 

 

数ヵ月後・・・その部屋であった事を、事情を知る者から聞かされた。

 

鬱病の方が入っておられた部屋だった・・・と・・・。

 

目を離した隙に、首を吊って亡くなられた部屋だ・・・と・・・。

 

成る程そうか・・・と、私は納得した。

 

 

 

宙にとどまっているのは、未だにぶら下がっているからだろう・・・

 

自分が死んだ事も、解からぬままに・・・

 

それを思うと、何だか哀しい気持ちになる。

 

 

 

でも、ソレはソレ。コレはコレ。　と、私は気持ちを切り離す。

 

 

 

その人がこの部屋に、何時までぶら下っていても別に構わない。

 

ただ、生きてる者にちょっかい出したら私は怒るよ？　と

 

その人がぶら下っているであろう空間を睨みつける。

 

（何せどんな人なのかも、ハッキリ視えなかったからね～（笑　）

 

 

 

何時までも、ソコに居るのはアンタの勝手。

 

だからといって、こちら側に干渉されちゃ～困るんでぃ！

 

おとなしゅう ぶら下がっとき。

 

それが嫌なら、とっととあっちへ行きなはれ。

 

こちとら生きてる者で精一杯。拘わってる暇など無いんだから。

 

 

 

今の私には、もう 視る力は無くなったけど感じる事はたまにある。

 

何も悪さはせぬものの

 

未だにその人、ぶら下がっとるし・・・( ￣_￣ ||||)