私がまだ若かりし頃、当時付き合っていた彼氏と車で旅行に行った事があった。
私も彼氏も、かなりの方向音痴。
この時点で、車で旅行…つー事事態無謀なんだけど 若気の至り…て事で(笑
案の定、思っきし迷った。
勿論、ナビなぞ当時は無い。
地図を見ても自分達が今、何処にいるかも解らない状況。
迷い込んだのは、どこぞの山道。
途中、道が無くなりUターンするにも道が狭く 暫くバックで走行したりと迷いに迷った。
ある程度広い道に出たものの、走行車線は無く車が2台ギリギリ通れるぐらいの道。
街灯も勿論無く、光源はヘッドライトに照らされる部分のみ。
午前2時を回ったところで、どこからともなく爆音が聞こえて来た。
大型単車のエンジン音。
やがて、その音は後方から聞こえるようになって来た。
その時私の運転だったのだが、ルームミラーで後ろを確認するも真っ暗闇。
チッ! どこぞのアホが、ライトも点けんと来よるわ。
助手席の彼氏も後ろを向いて
ホンマや。 ライト点けとらんなぁ。 真っ暗やわ。
後ろから、どんどんと音が近づいて来る。
来るで! どんな奴かシッカリ面拝んどいて!
ウ゛ォン と音が通り過ぎると同時に彼氏が悲鳴を上げた。
うわぁぁぁーー!!!
全開にしていた窓を、慌てて閉めている。
どしたん??
どしたん…て、お前…。 今、通り過ぎよったやろ!? 姿見えたか!?
あー、そう言えば通り過ぎたけど全然姿見えんかったわ。
俺の真横通り過ぎよったんや! 腕にぶわっと風が来た! (彼氏は全開した窓から腕を出していた)
普通は抜かす時、こっち(右)側からやろ! そっち(左)から抜かしよったんかぃ! 何考えとんじゃ!
そーゆー問題ちゃうわボケ! こっち(左)側、単車が通れる幅ないやろがっ!!!
そう言えばそっち(左)側、単車が通り抜けられる幅ないわな。
せやろ!? せやのに俺の腕かすめて通って行きよったんやで!?
せやから何やねん?
何で解らんのじゃボケー! 幽霊やんけっ!!
あ~、そうやわな~。 生きてるもんには、そっち(左)側通るん物理的に無理やわな~。
せやから幽霊やんけ! 鳥肌立ったわ! うぉー怖ー!こんな体験初めてや!
そうなん? でも、何で単車に乗ってるんやろ??
んなもん俺が知るか! んな事よりムチャクチャ怖いわ!
乗り物に乗った〝あっちの人〟に、初めて遭遇した日だった。
その後、単車や自転車・車等 乗り物に乗った〝あっちの人〟に たま~に遭遇しているのだけれど
この場合、その乗り物自体も幽霊…て事になるのだろうか??
未だに解らない疑問です。