温かな思い出

 
生まれた時、私は未熟児だった。
 
日にちや時間の感覚 無いのだけれど
 
何故か、保育器に入っていた時の記憶がある。
 
 
ぼんやりと見える白っぽい人影が
 
私の前を、アチコチ行き来してる姿を ジッと見てた。
 
時には誰もいなくなる。
 
 
少し離れた所に いたのかもしれないが
 
視界がぼんやりしていたので、見えなかっただけなのかもしれない。
 
でも、側へ来ると 人の顔もハッキリ見えた。
 
 
スッとした高い鼻で、目の細い女の人が
 
よく、私の顔を覗き込み 何か語りかけてくれていた。
 
 
何を言ってるのかは、その時の私には解からなかったが
 
その人からは 温かな感情が流れ込んできて好きだった。
 
 
勿論、その人は母ではない。
 
 
時々、あの時の人は 私に何を語りかけてくれてたのだろう? と
 
ふと思い出しては 考える。
 
 
ただ それだけの事なんだけど
 
心がほんわか 温かくなる。
 

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イソラ
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